わん


 昼休み、ほぼ毎日通い続ける学校の中庭にて。

俺は膝枕をしていた。

そう、『してもらっている』のではない、『している』のだ。



「な、何故男の俺が膝枕なんぞをしているのだ?物理法則に反しているではないか」

「正確に言えば足枕です、浩平」



 そう。頭を乗せるところが膝かスネか?という問題は置いといて。

今茜は俺の足を枕代わりにして、昼休みの残り時間を堪能している。

 それはそうとして、そんなに気持ちが良いものなのか?仮にも男のゴツゴツした足だぞ。



「だってなぁ……俺に正座のまま長時間耐えろってのは、ちぃとばかり無理があるだろ」

「そうですね」



 そうハッキリ言われると辛いものがある。



「本音を言うなら、俺が茜に膝枕をして欲しいぞ」

「いつもしてるじゃないですか。たまには私も、してもらう立場になりたいんです」

「そういうもんか?」

「そういうものです」



―――眠くなりそうな昼休みの、誰にも邪魔されない静かな時間は過ぎていく。

目を瞑って幸せそうにする茜に、ついつい見とれてしまう俺。

『なにか?』と言いたげに開かれた目が、なんとなく恥かしくて視線を逸らす。



「なあ、そろそろ変わってくれると俺は嬉しいんだが」



 茜が俺の顔を見上げ、穏やかに微笑んで言った。



「嫌です」













幻葉「なんのひねりもない話、だからこそシンプルな魅力が」

漆「ありません」

幻葉「ぐはっ」(吐血

漆「そんなわけで、季節感皆無な残暑見舞いSSでした」

と、いうことらしいです
暑い時に膝枕したら汗だく特盛いっちょって感じですね

モドール

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